
今回は派遣の顔合わせ(「面談」や「会社訪問」と呼ぶ派遣会社もあります)の具体的な進み方をまとめました。
当日、何をするのか、何を話すのか聞かれるのかがわかっていませんと、思わず準備不足でパニック…、という事も。
そんなトラブルを避けるため、ぜひ当日のイメージをしながら準備なさってくださいね。
派遣会社の営業さんと合流
顔合わせの時間の15分から30分ほど前に、派遣先の会社の近くで待ち合わせする事になります。
駅の改札前や、目立つカフェの前などが多いようです。
そのまま一緒に派遣先へ行く事もありますが、その前に、営業さんと打ち合わせをする事もあります。
集合時間が顔合わせの30分以上前なら、確実に打ち合わせアリと考えて良いと思われます。
その打ち合わせでは、「当日何を話すか」「どういう風に自己紹介をしていくと良いか」などのアドバイスをしてもらえる事がほとんどです。
営業さんにも色々なタイプがおられますが、早めに集合して打ち合わせをする営業さんに当たると、受かる確率は少し高いと考えて良いと思われます。
入室、そして顔合わせスタート
会社への入室や挨拶は営業さんが中心に進めます。基本は後ろについていきながら、同じように挨拶をしていけば問題ありません。
商談スペースや会議室に通されますので、営業さんと並んで座り、顔合わせの担当者(実際に働く部署の上司や人事部の担当者)を待ちます。
顔合わせの進み方
まずは営業さんがスキルシート(履歴書)を企業の採用担当者に手渡す所から始まります。
採用担当もすでに事前にスキルシートは見ている事が大半ですが、念のため新しい物を持参して渡す事が多くあります。
よくある始まり方パターンはこういった形が多いようです。
営業
「本日はお時間を頂きましてありがとうございます。それでは、顔合わせを始めさせていただきます。お手元にございますのがスキルシートとなります。まず最初に、本人から簡単に自己紹介をさせて頂きます。よろしくお願いいたします」
自分
「はい。私、山田○○と申します。本日はよろしくお願いします。それでは簡単に経歴を紹介させて頂きます。
△△大学を卒業後、株式会社ABCへ入社致しました。研修後、営業推進部へ配属となりました。1年目は主に請求書の作成や、見積もり作成の補助などを担当し…(以下、経歴を説明)
以上です、よろしくお願いします」
営業
「経歴は以上となりますので、ここからは質疑応答とさせて頂きます」
採用担当
「なるほど。わかりました。この1年目の仕事ですが、具体的にどういう請求書を、どんなソフトで作成していたのか、もう少し詳しく聞かせて頂けますか?」
自分
「はい。この仕事は主に○○製品の請求をエクセルを使って~(以下、詳しく説明)」
~このような質疑応答がある程度続きます~
営業
「そろそろよろしいでしょうか」
採用担当
「そうですね、おおむねわかりましたので、これで結構です」
営業
「では、本日の顔合わせは終了とさせて頂きます、ありがとうございました」
自分
「ありがとうございました」
顔合わせの結果の連絡方法やタイミングは?
このような流れになるのが一般的ですので、その場で「はい、採用決定!」といった結果が出る事はほぼありません。
また、採用が決まった場合に何月何日から来れるかという事を聞かれる場合はありますが、時給についての会話はまずありません。
詳しくは、別の記事(派遣の顔合わせの質問 OK例、NG例)をぜひご覧ください。
この後、派遣会社の営業さんはいったん事務所へ戻り、電話やメールで採用担当者と確認の連絡を取り合います。
ここで派遣先からOKが出れば、そのまますぐに「採用が決まりました! ○日からスタートです」という電話連絡がやってきます。
派遣の面接では、履歴書はなく「スキルシート」が使われる
派遣の面接では、履歴書をそのまま使うところはほとんどありません。
代わりに、派遣会社が用意した「スキルシート」という用紙が使われます。
履歴書とスキルシート、何が違うかといいますと、「個人を特定できる情報が書かれていない」という点です。
具体的に言いますと、氏名や住所、既婚/未婚、といった個人情報が伏せられており、仕事の経歴やスキル等だけが書かれているという用紙になります。
派遣先の会社は、このスキルシートを見て、「このスキルや経験なら、採用したいかどうか」を判断する事になります。
スキルシートの注意すべき点は「個人情報」
履歴書ではなくスキルシートを使う上での注意点は、「個人情報が何も書かれていない」という点です。
スキルシートには氏名すら書かれていませんので、面接の最初に、氏名を名乗って自己紹介をしておかないと、相手(面接官)は、あなたの氏名すらわからないという事になります。
また、同じように、既婚/未婚といった点も当然書かれていませんので、既婚で小さい子供がいる場合などは、面接中に「子供の事があるので、急なお休みがあるかもしれない」という事情は説明しておく必要がありますので注意しましょう。
派遣の面接で確認しておきたいポイント:「残業」
面接時にお互い確認しておきたいポイントとして、一番重要なのは、やはり「残業」です。
派遣先から見れば、やはり忙しくて人手不足なので派遣スタッフを採用したいと考えています。
そのため、どうしても残業できる人を優先して採用したくなるもの。
一方で、応募するスタッフ側から見ても、「残業してしっかり稼ぎたいのに、全然残業がない」や「本当は残業したくないのに、毎日残業させられる」といった行き違いがありますと、長く働き続けるのは難しくなります。
お互いにすれ違いが一番起こりやすいポイントですので、残業がどれくらい有るのか(出来るのか)を、話し合っておきましょう。
確認したいポイント:職場の雰囲気は?
もう一つ、できれば確認しておきたいのは「職場の雰囲気」です。
面接は大抵の場合、会社内の商談スペースや会議室で行われます。
会議室への移動中に、実際の職場を横目に通るでしょうから、その際に実際の職場の雰囲気を見ておきましょう。
ひどく雰囲気が悪く、ギスギスしていたり、怒鳴り声を上げている上司がいるようなブラックな職場であれば、最悪の場合は、面接後にこちらから辞退するという選択肢もとる事ができます。
また、もし職場の近くを通る事なく面接場所へ行った場合などは、「実際の職場を見学させては頂けませんか?」とお願いしてみるのも方法の一つです。
まとめ
企業訪問や顔合わせ、という単語ですので「単に訪問するだけなのかな」と思われがちですが、実際はしっかりと面接する形が大半です。
特に、スキルシートを見ながらの自己紹介は少し練習をしておかないと、いきなり「さあどうぞ」と言われても難しいものですよね。
経歴紹介や自己アピールには、派遣の顔合わせ独特の進め方や特徴があります。
知らないまま本番になってしまいますと、「え、…え? そこから?」と戸惑ってしまう事も。
実は、派遣の自己紹介や自己アピールには、シンプルですがちょっとしたコツがあります。
次の記事に続きます。
〔次〕→ 派遣の顔合わせ(面接、職場見学)で自己紹介(経歴の説明)を上手く話すコツ
また、派遣の顔合わせに受かるためのコツや例文を、全部まとめて解説する記事はこちらです。