
今回は「派遣社員にさせてはいけないこと」を解説していきたいと思います。
派遣スタッフの仕事は、派遣の契約書に書かれている仕事内容が中心となります。
逆に言いますと、派遣の契約書にそもそも書かれていない仕事をさせるのは、派遣契約の違反になりますので、本来はNGですが、現場の職場では意外とやってしまいがちな事も多くあります。
派遣先の企業が、派遣法や派遣契約の内容を知らないばかりに、派遣スタッフ側も知らないうちに契約違反をしてしまう事もあります。
そんな事を防止するためにも、一体どういう仕事が NG なのか、何ならOKなのかを解説していきたいと思います。
派遣スタッフにさせてはいけない仕事1.契約書にない仕事
普段あまり目にする事はありませんが、派遣スタッフが新しい会社で働き始める際には、派遣会社と派遣先の企業で「派遣契約書」を取り交わします。
派遣スタッフには、その契約書の内容をまとめた1枚の書類、「就業条件明示書」が渡されているかと思います。
派遣先の会社との契約内容は、この就業条件明示書で知る事が出来ます。
この中で、「業務内容」という項目が、実際に派遣先と契約した仕事の内容となります。
ただし、具体的に書かれている事は少なく、例えば、「保険契約業務における、一般事務 および付帯業務」といった形で、ぼんやりとした書き方で書かれている事が一般的です。
例えば、書類作成やシステムへのデータ入力、上司への報告メールの送信など、一般的な仕事内容は全て、この「一般事務 および付帯業務」という契約書の文言の中に含まれていると考えるのが一般的です。
逆に、契約内容に含まれない仕事内容とは、どういった物があるのでしょうか?
上司へのお茶くみや、部署内の掃除の時間などは業務に含まれる?
直接の業務とは関係のない、お茶くみや掃除などは契約の中に含まれるのでしょうか?
こういった、「契約した仕事内容とは直接関係ないけれど、職場で誰もがやっているような事」は派遣先と派遣スタッフの間でトラブルになりがちです。
契約内容にそこまで細かく書く事は一般的にありませんし、派遣契約の内容から考えても、グレーな所と言っても良いでしょう。
ただ、派遣スタッフの側から一方的に、「これは仕事内容の契約に含まれていないのでやりません」と断るのは角が立ちますし、やはり派遣先と長くお付き合いしていこうと思いますと、あまりオススメの方法ではありません。
そのため、派遣会社の方々も派遣面接の前に、「こういったとした雑用も仕事内容に含まれます」と説明することが多めです。
また、派遣スタッフとして面接を受ける際に、こういった雑用の仕事もあるのかどうか確認する事も大切です。
派遣スタッフにさせてはいけない仕事2.契約なしの出張
派遣の仕事は、一般的には決まったオフィスの中でする仕事内容がほとんどです。
営業マンのように他の会社のお客さんの所へ出向く仕事はあまり多くはありません。
ただし、営業アシスタントの仕事などでは、時折お客様の元へ、説明のために出張に出る場合もあるかもしれません。
こういった場合でも、「出張は派遣の契約の中に入っているのかどうか」を、あらかじめ確認しましょう。
と言いますのも、一般的に、派遣会社は派遣先の企業と「出張に関する取り決め」を行っています。
具体的に言いますと、
出張旅費や交通費の負担、出張手当の額、移動時間の取り扱いなどがあります。
こういった物は、、あらかじめ派遣会社と派遣先企業で契約をしておかなければなりません。
この出張に関する契約がないまま出張へ行ってしまいますと、例えば交通費は誰が負担するのか、手当の額はいくらで何時間の出張から手当がつくのか等、後日、精算する時にトラブルになりがちです。
そのため、職場以外の場所で働くように言われた場合は、そのまま派遣先の言う事を聞くのではなく、まず派遣会社に「出張へ行って良いのか」を相談しましょう。
派遣スタッフにさせてはいけない仕事3.明らかに契約にない仕事
例えばデータ入力の仕事で契約しているのに、「ちょっと、これお願いね」という軽いノリで、お客様へ発送する商品の梱包や検品・発送などをさせられるのは、明らかに「データ入力」という派遣契約とは違う仕事となります。
こういった、派遣契約とは違う、関係のない仕事を依頼された場合などは注意が必要です。
派遣の契約にない仕事内容になりますので、気になる場合は派遣会社にこの仕事をしても良いのかどうかを確認することも大切です。
派遣スタッフにさせてはいけない仕事4.違う部署での仕事
派遣の契約の場合、必ず「どの部署で働くのか」と言う内容が契約に入ります。
例えば「ちょっと違う支店の手伝いに行ってきてくれる?」と頼まれた場合などは、非常に注意が必要です。
違うフロアや違う支店ににある別部署で働く場合、たとえその仕事内容がいつもの仕事だったとしても、働く場所が派遣契約と違いますので、契約違反になってしまう可能性があります。
こういう場合も派遣会社の営業さんに相談する方がいいでしょう。
派遣スタッフにさせてはいけない仕事5.就業時間後の飲み会や接待
もちろんですが、就業時間後の飲み会は仕事内容には含まれません。
そのため、歓迎会や送別会も、派遣契約をしているからといって必ず参加しなければいけない訳ではありません。
あくまで自分の意思で、行くか行かないかを決めても構わない内容です。
ただし、客先への接待などは特に注意が必要です。
部署の中の歓送迎会ではなく、お客様への接待となりますと、明らかに仕事の一環となってしまいます。
派遣スタッフが接待に動員されることは普通はありえません。
ただ、もし派遣先の上司から、「あなたも接待についてきてください」と言われた場合は、一度「派遣会社に相談してもいいですか」と聞いてみましょう。
自分で直接断るよりも、派遣会社の営業さんを通じて断ってもらった方が波風が立ちませんので、その後のトラブルを防止する事ができます。
派遣スタッフにさせてはいけない仕事5.無理な早朝の出勤や深夜残業
朝早く出勤することや遅くまで残業すること自体は、契約違反というわけではありません。
ただ派遣契約の中には、一般的な勤務時間が記載されています
明らかにこの勤務時間とは違うシフトでの仕事ばかりを依頼された場合などは、派遣契約とは違う内容になってしまいますので注意しましょう。
特に、急に「今日から違うシフトで勤務してください」と言われた場合など、働く時間を変えるよう言われた場合などは契約の見直しが必要になります。
契約内容の変更などをせずに、勝手に派遣先や派遣スタッフの都合で、勤務時間を変更するのはNGになりますので、こういった場合も、派遣会社に相談しておく方が良いでしょう。