
皆さんは、秘書のお仕事についてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
「秘書ってなんか華やかな感じ」「社長秘書と言われても、何をしているかはよく知らない」など、様々なイメージをお持ちかと思います。
また、秘書と言えば、「秘書検定が必要」と思われがちですが、派遣の秘書の職種であれば、未経験からでも十分に受かる可能性が高くなります。
この記事では、派遣での求人も多い「秘書」のお仕事内容や受かる方法、必要なスキルや向き不向きについて解説をしていきます。
「秘書」の具体的なお仕事内容は?
秘書のお仕事は一言で言いますと、社長・役員・医師・政治家などのサポートをするお仕事です。
では、「サポート」とは具体的にどのようなことを行うのか、大きく3つのお仕事についてお話をしていきます。
(※秘書がサポートする対象の方を、都度「社長・役員…」と表現していくとお話が回りくどくなるため、この章ではこうした「秘書がサポートする対象」の方たちのことを一律で「社長」と表現していきます)
・電話・メール・来客対応
一番わかりやすい秘書のお仕事は、社長宛にかかってくるお電話やメール、来客の対応をすることです。
一日中、社長宛には様々なお電話やメール、来客があります。
そうしたお電話やメール全てに社長ご自身が対応していると、社長は大事なお仕事ができません。
社長宛のそうした電話やメール、来客を秘書がいったん受け、必要な連絡や来客であれば社長に取り次ぎ、場合によっては社長に代わってお返事をしたり断ったり…といった、「情報の交通整理」を行うお仕事は、秘書のお仕事の中でも大事なものといえます。
・社長のスケジュール管理
社長には、社内の重要な会議や取締役会など、社内の会議への参加や来客との面談の他にも、時には社外への出張などの予定がどんどん入ってきます。
そうした予定一つ一つについて、社長自らが日程調整や宿泊先の手配などは行えませんので、これを代行する事も、秘書の大事なお仕事の一つです。
時には秘書自身も、社長の出張や会食などに同行する事もあります。
お会いしたお客様の情報を整理したり、会食の手配をしたりといったこともありますが、派遣で秘書を行う場合は、時給計算や交通費・宿泊費の問題などもありますので、外出を伴う業務はお願いされないケースが大半です。
・資料作成
社長が会議などで使う資料の作成なども、秘書のお仕事の中ではよくある業務の一つです。
例えば、各部門から「会議用」として提出される資料を参加者の人数分コピーし、見やすく、使いやすく用意をするといったこともあります。
そのほか、取締役会や経営会議の資料作成や、入社式など何かのイベントのスピーチ原稿の作成、年賀状などの手配を行うといった庶務も、秘書が行うお仕事の一つです。
「秘書」のお仕事で身につくスキルは?
では、こうした秘書のお仕事ですが実際に行ってみて「身につくスキル」は何でしょうか? 秘書の仕事をする事で身につくスキルについて解説していきます。
・ビジネスマナーとコミュニケーションスキル
常に社長や取締役、医師、政治家など社会的地位の高い方たちに囲まれてお仕事をしていきますので、確実にビジネスマナーが身に付きます。
自分に一定のビジネスマナーが身についていないと、そんな秘書を使っている社長などにご迷惑をおかけする事にもなりますので、知らないマナーなどについては自分で勉強する姿勢を持っている方が、より長くお仕事を続けやすくなります。
また、マナーだけではなく身だしなみや立ち居振る舞いについても同じ事が言えるかと思います。
・察する力
社長や取締役が常に「何を求めているか」「今、何を一番必要としているか」を考えながらお仕事をしていくため、相手のしてほしいことを「察する」力が身につき、優先順位を見極める力が付きます。
こうしたスキルは、秘書だけでなく、長くお仕事をしていく上ではとても大事な能力ですので、秘書職に限らず活かしていける力となります。
また、資料作成や会議の議事録作成といったお仕事を通じて、会社の今の「課題点」などを感じ取ることが出来るようなりますので、ビジネスの面白さ、難しさを感じることが出来るのも、秘書ならではの貴重な経験といえます。
「秘書」のお仕事で大変なことや、役割は?
とても魅力のある秘書のお仕事ですが、大変な事ももちろんあります。
実際に秘書として働くため時、困りやすいポイントや、気を付けるべき点について解説していきます。
・社長のタイプを見極める必要がある
会社には様々な人がいるように、自分がサポートする社長も様々なタイプの方がいらっしゃいます。
スケジュール管理一つにしても、「全て秘書にお任せ」というタイプの方もいらっしゃれば、「できるだけ自分でスケジュールをコントロールしたい」というタイプの方もいらっしゃいます。
また、喜怒哀楽がはっきりしている方や、表現があいまいで、自分が行ったサポートがお役に立てているのかご迷惑なのか、判断が付きかねるタイプの方もいらっしゃるでしょう。
そうした、社長の傾向や好みを見分けて対応していく難しさがありますが、自分のしたことが役に立ったり社長に喜んで頂けた時の嬉しさはひとしおです。
・会社や業界の機密事項に触れる機会が多い
日々、会社や業界のトップの方と接点を持ったり、会議資料の作成サポートをする仕事のため、時には、マスコミへの発表前の重要情報や、社内や業界の機密情報、人事情報などに触れる機会もあります。
また、会議資料や重要情報だけではなく、時には「社長が○○社の××社長と会食をした」といった、その事自体が機密情報になりうるケースもあります。
そういった情報が社内や社外に漏れることにより、会社や業界に大きな損害を与えたり、トラブルが発生したりといった事もありますので、仕事で得た情報の取り扱いや、自分のSNSなどで扱う情報については、とても慎重に取り扱っていかなければなりません。
・サポートする方の予定と自分の予定が合わないことがある
例えば「この日は早く帰ろうかな」と思っている日に大事な会食等が入った場合は、場合にもよりますが社長の予定を優先しなければならないこともあります。
また長期休みの予定なども、日程が重ならないように取得したりすることもあります。
そうした「スケジュールが思い通りにならない」不便さは、あるかもしれません。
「秘書」のお仕事に向いている人は?
では、どんな人が秘書のお仕事に向いているでしょうか。ここでは「秘書」のお仕事に向いている方の特徴についていくつかお話をしていきます。
〔向いているタイプ1〕相手を気遣い、サポートすることが好きな人
サポートする方が「何を求めているか」「どうされると嬉しい、助かるか」を常に考えながら、その人が働きやすいように気を遣うことが出来る人は、秘書に向いていると言えます。
例えば、社内会議のスケジュールを調整するにしても、「明日は朝から取締役会だから、前日のこの日は○時以降予定を入れないようにしよう」など、相手の動きや気持ちを察しながら、動けるような気づかいができるか、という点が重要です。
また、秘書職は「縁の下の力持ち」「サポート」ですので、自らが表舞台に立ったり目立った動きをするといったことはあまり好まれません。そうした事を苦痛に感じないという点も、秘書の適正としては大事な点です。
〔向いているタイプ2〕 仕事が正確な人
ささいなスケジュール調整のミスでも、サポートする方が遅刻する事になり、結果として「自分のせいで社長の信頼が下がった」といった事にもつながります。
そうした事態を引き起こさないために、正確に丁寧な手配ができる方が秘書に向いているといえます。
〔向いているタイプ3〕 臨機応変な対応ができる人
交通機関のアクシデントにより出張のスケジュールに変更が発生する、一度作成した資料にギリギリのタイミングで「ここを直してほしい」といった依頼を受ける、といったといったことが日々起きるのは、秘書に限らずお仕事ではよくある話だと思います。
そうしたアクシデントや急な対応が発生したときに、いかに柔軟にベストの対応ができるか、イライラせずに対応できるか、というのも、秘書の適性として大事な点です。
〔向いているタイプ4〕 身だしなみや立ち居振る舞いに気を使える方
秘書のお仕事では、秘書自身が「会社の代表の代理」としてお客様に接したりするケースも多くあります。
その場合、あなたは「会社の代表」と見られますので、会社の品格にふさわしい身だしなみや立ち居振る舞いが求められます。
実際に秘書をしている方は、スーツ必須の会社でなくでもジャケットとパンプスを会社に常備していたり、メイクをはじめとした身だしなみに、とても気を遣っている方が多めです。そうしたことを苦痛に感じない、ということも大事な適性です。
秘書になるには、秘書検定は絶対に必要? 秘書検定なしでも受かる?
秘書の仕事と言えば、有名な資格として「秘書検定」があります。
もちろん、秘書検定を持っている方が、受かる確率が高くなるのは間違いありません。
しかし、派遣の求人の場合ですと、そもそも「秘書検定を持っている人」が少ないため、秘書検定が必須という求人はあまり多くはありません。
むしろ、秘書検定を持っていなくとも、それまでの事務やサポートの仕事経験を評価してもらえれば、秘書の求人に受かる可能性は十分に高いと言えます。
あなたがサポートする経営者は、文字通り、経営のプロですので、誰をどういう理由で採用するのかといった判断能力の高い人ばかりです。
「秘書検定は持っているけれど、実務経験があまりない人」と、「秘書検定は持っていないけれど、事務や調整業務でしっかり経験を積んでいる人」であれば、後者が採用される確率が圧倒的に高くなります。
ある意味では、「資格より経験」といえる職種かも知れません。
秘書検定は、確かに秘書の資格ではありますが、「資格がないから受からない」という物ではありません。あくまで、目安の一つと考えておく方が良いでしょう。
秘書のお仕事は「未経験」でもできる?
秘書のお仕事自体は、未経験でもできますが、ベースとなる「事務スキル」「ビジネスマナー」を習得していることが非常に重要です。
事務スキルについては、一般的な事務職で求められるPCスキルがあれば対応可能です。
むしろ、ビジネスマナーの習得が大事ですので、もし自信がない場合は秘書検定のテキストを買って学んだり、敬語の表現の本を読んだりといった努力が活きます。
また、秘書という仕事の求人数が少ないですので、「秘書の経験者」という人がそもそも少ないのが実際です。
そのため、派遣の求人で秘書に応募する人は、多くが未経験からのデビューという形となります。
「秘書の仕事経験がないから…」とためらうより、未経験から挑戦して応募してみる方が、新しい未来が開けてくる可能性があります。
また、未経験から始めるのであれば、秘書のお仕事をスタートしてからも、ビジネスマナーや敬語については日々学んでいくことが大事ですし、それ以外にも、身だしなみに気を使ったり、新聞や経済誌を読んだりして、ビジネスや業界についての知識を身につけていく事が重要です。
そうした努力を続けていく事にあまり抵抗感がなければ、未経験でも秘書になることは十分に可能です。
まとめ
ここまで秘書のお仕事について説明をしてきましたがいかがでしょうか。
秘書の仕事を経験しておきますと、その後に営業や事務などの秘書以外のお仕事に就いたとしても、活かせる事がとても多い、重要なお仕事です。
派遣求人で見つけた場合は、機会があればぜひチャレンジしてみて下さいね。