派遣社員も一般の正社員と同じように、勤務年数に応じて、有給休暇が発生します。
詳しい日数やタイミングは、別記事でまとめてありますので、どうぞこちらでご確認ください。
この記事では、派遣会社を乗り換える場合、有給休暇がどうなるのかについて解説します。
派遣の有給休暇は、派遣会社を変えると消滅する
例えば、派遣会社のパソナで契約して、某大手メーカーで1年働いたとしましょう。
この場合、派遣の契約開始から6か月が経った時点で、有給休暇が10日分発生しています。
もしここで、1年目に大手メーカーとの派遣契約が終了した場合どうでしょう。
有給休暇が10日残っていますが、他の派遣先への仕事が決まっていません。
ここで取れるのは、いくつかの選択肢があります。
■派遣の有給残を消滅させるか、消化するか、そのまま継続するか
- 選択肢1.有給消化をした後、他の派遣会社で仕事を探す
- 選択肢2.有給を使わず、すぐにパソナから別の派遣先に出る。
- 選択肢3.他の派遣会社で仕事を決めて、有給は消滅(放棄)させて、すぐ働く
それぞれについて解説していきましょう。
派遣社員の有給消化は可能? 派遣先との契約はどうなる?
派遣社員の有給消化が出来ないといわれる会社もありますが、大手派遣会社であれば、対応している事が多いようです。
また、法的に見ても有給消化は問題ありませんので、有給が余っているのであれば、積極的に「有給消化したい」と派遣会社に申し入れましょう。
その際、派遣先との契約がどうなるかは、派遣会社によってかなり断ってくるかと思われます。
よくあるパターンとしては、
1.派遣会社と派遣先の契約を、有給の日数分だけ延長する
2.派遣先との契約は予定通り終了し、社内勤務のような扱いで有給を消化する
などが考えられます。
有期雇用、無期雇用によっても違ってくるかと思いますので、担当営業さんに相談していきましょう。
派遣会社を変えなければ、有給は継続する? 消滅する?
また、今回のような大手メーカーとの契約が終了したが、まだ同じ派遣会社(例えばパソナ)で仕事を探す場合、有給は継続か消滅か、どちらになるのでしょうか?
派遣会社によってかなり制度が違ってきますが、今回はパソナを例にして解説していきます。

パソナの有給制度を調べますと、
雇用契約が結ばれていない期間が1ヶ月に達した場合、有給休暇の勤務期間は計算上、リセットとなります。 また、持っていた年次有給休暇の残日数はすべて無効となります。
つまり逆に言えば、
「一か月以内に別の会社でパソナの派遣社員として働き始めれば、勤務年数も有給残日数もそのまま残る」という制度です。
また、これは他社にはあまりない制度かもしれませんが、パソナでは「特別有給休暇制度」という制度もあります。
契約終了から1か月が過ぎて有給休暇が無効となった場合でも、1年以内に再就労できれば、以前持っていた有給休暇残日数(上限10日)が復活するという制度です。
これは長く働いていくなら、ありがたい制度です。
他の派遣会社で仕事を決めてしまった場合は、有給が消滅する
また、今の派遣会社での仕事が終わった後、すぐに他の派遣会社に乗り換えて、契約を始めた場合はどうなるでしょうか。
この場合は、二つの派遣会社に同時に契約する事は出来ませんので、残っていた有給休暇を消滅させて(有給消化をあきらめて)、次の派遣先で勤務を開始するのが一般的です。
どうしても有給消化をしたい場合は、新しい派遣先と開始日をズラす交渉が必要になりますが、営業さんや派遣会社、派遣先を巻き込む交渉ですので、なかなかハードルが高めといっても良いでしょう。
派遣で有給消化は出来るけれど、使い切る時は計画的に!
派遣社員も正社員と同様に、有給の残日数を使って、有給消化する事は可能です。
ただし、次の派遣先がすでに決まってしまっている場合や、派遣会社を乗り換える場合などは、注意が必要です。
ぜひとも事前にしっかりと計画し、損をしない形で有給を使い切っていきましょう。