さて、今回は派遣を始めようと思った時につまづきやすい、「顔合わせ(会社訪問、職場見学)」についてです。
よく面接との違いがわかりにくいという声もお聞きする内容ですが、わかってみると意外と簡単です。
派遣に使える便利な基礎知識の解説です。
顔合わせ(会社訪問、職場見学)は、面接と全く同じ?
言葉は全く違いますが、中身は同じと思って頂いて問題ありません。
なぜこんなややこしい事になっているかと言いますと、派遣法には、この記事を書いている時点では「派遣社員を面接するのは禁止する」と明確に書かれています。
そのため、派遣会社も派遣先の会社も、原則で言いますと面接をしてはいけません。
しかし。
実際に、顔も見たことのない、話した事もない人がいきなり「今日からここで働きます」とやって来ますと、何かとトラブルの元です。
お互いの顔もスキルも知らないまま一緒に働くのには無理がありますよね。
そこで派遣業界が使っているのが「顔合わせ」です。
これは顔合わせをして、打ち合わせをしているだけなので「面接ではありません」という体裁にしている、というのが仕組みです。
顔合わせ、面接、職場見学、会社訪問、事前面談 は全部同じ意味?
そのため、派遣会社によって、「面接の代わりになる言葉」が違っている事もあります。
よく使われている単語で言いますと、「顔合わせ」「会社訪問」「職場見学」「事前面談」「事前打ち合わせ」などは聞いたことのある呼び名です。
一般的には「顔合わせ」という言葉が有名ですので、ネットで調べる時には「顔合わせ」というキーワードで調べるのが良いかと思います。
また、「面接」という言葉はNGワードですので、派遣会社の方々といる時には、なるべく使わないようにする方がスマートです。
二次面接、三次面接のような物は、顔合わせにもある?
次に気になりますのは、面接との違いですよね。
ここも派遣会社によって結構違う場合があります。
一番多いのは、「顔合わせは1回限り、二次面接的な物は無し、一回20分前後」というパターンです。
また、顔合わせには営業さんが同席してくれる事が大半です。
(一部、短期の派遣やアルバイトに近い時給・職種を扱う派遣会社では、同席しない事も)
普通の面接では、自分ひとりで何でも説明・アピールしなければいけませんが、派遣の場合は、営業さんが隣に座ってサポートしてくれますので、失敗の可能性がぐっと下がります。
また、客先との時給交渉なども代わりにしてくれるため、良い営業さんに当たると、とんとん拍子にお仕事が決まっていくパターンもあります。
顔合わせでは志望動機は聞かれない?
一般の求人の面接と違う所として、「志望動機はあまり重要視されていない」という部分はあるかと思います。
と言いますのも、派遣先の上司や担当者の方も、「派遣スタッフの方は、派遣会社に提案された求人の中から選んでいる。自分から『この企業へ行きたい』と会社名を指名するのは難しい」という派遣の事情を知っています。
そのため、「なぜ当社を受けようと思ったのですか?」という質問はあまり聞かれません。
逆に、「なぜこの仕事(職種)を選んだのですか?」や、「この業界を選んだのは理由があるのですか?」といった、その職種や業種を選んだ理由は質問されることが多めです。
同じように、「なぜライバル企業(同業他社)を受けなかったのですか?」という質問はほぼ確実に、ありません。
この質問に直球で答えるとすれば、「ライバル会社の求人がなかったので」や「応募の段階で会社名はわかりませんので」になるのでしょうが、聞かれることはありませんので、答え方の準備をする必要はないかと思います。
大切なのは、志望動機よりも「職歴の説明」
また、アルバイトや新卒の面接と大きく違うのは「職歴の話が中心になる」という部分です。
派遣の顔合わせは、職歴とその内容の確認のための時間と言っても良いかと思います。
それほどに、職歴の話が多くなりますので、これまで様々な仕事を経験して来られた方は、すぐにその内容や時期を思い出せるように復習しておくと良いかと思います。
また、「自己PRをお願いします」と言われても、大学生の就職活動によくある「私の強みは、サークルでつちかったリーダーシップであり…」的な物は特に不要です。
淡々と自分の職歴を説明するだけで十分に自己PRになりますので、特別なアピール文章を用意する必要はありません。
まとめ
初めて派遣を考えてみた時に、やはり紛らわしくて戸惑いやすいのが「顔合わせ」と、それによく似た単語の数々です。
基本的には「面接」というキーワードが使えないので、その替わりと考えておけば問題ありません。
また、就活やアルバイトの面接とは少しずつ違う部分もありますので、ポイントを押さえて、本番に安心して向かえるように準備してくださいね。